♥ 横歩取りは怖い

左肩がすーごく痛いです．

名人戦の第５局がありまして，横歩取りのすごい将棋になったみたいでした．△３三角型に対して，先手山崎流＜角交換型＞の構えから後手がダイレクトに△８四飛と引く形．

横歩取りでいちばん早い攻撃は，▲８二歩〜▲８一歩成なんだそうです．後手番なら２筋です．＜角交換型＞では飛車を３筋メインで使うことがあるので，防御手は▲５八玉と▲３八金の２手が必要な筈なんですけれど，この局では先手の郷田九段が▲３八金を省略して▲５八玉〜▲２六飛とちょっと欲張ります．この瞬間に，２筋に隙ありと見た羽生名人が，角交換から△４四角の仕掛けを決行したようでした．△４一玉なら無難だったと思うのですが，こういう「あれっ，新構想？」みたいな場面を迎えるととりあえず咎めに行っとくのが羽生さんらしいと思います．

ここからのやりとりがすごかったです．横歩取りらしく空中で派手に飛車角を交換した後，当然の△２七飛の打ち込みに対して郷田九段が放った▲２三歩の垂らしが，非常に対応の悩ましい妙手でした．なんだこれわ，ですよ（汗）．△同金は即詰みで先手勝ち．守ればジリ貧．かといって無視して攻めると王手飛車の筋が...．事前の研究手だったのでしょうか（汗）．プロってすごい．ここで封じ手となって１日目が終了したのですが，定刻６時半を過ぎても羽生さんが更に１時間ほど長考に沈んでいるという，異例の事態となった模様．

２日目，逆転せず．馬２枚で盤上を制圧した郷田九段がリードを広げ，勝ち目なしと判断した羽生名人の投了となったようです．これで挑戦者の３勝２敗．名人奪取に王手がかかりました．


もー，すごすぎる．横歩なんて怖くて指せにゃー（汗）．