♥ 第五十九夜

１週間たって二人が帰ってきた．おかえり．
旅行どうだったと尋ねたら，五月は
残念ながら...と前置きしつつ笛をコトリとテーブルに置いて，

ルーラで飛べる全ての主要都市から
オーブの反応は出なかったと言った．

ポルトガ行ってきたんじゃなかったのか．
７日で世界を回ろうとすれば１日２都市のペース．
まさかそれで天野さん連れていったのか（汗）．

残り３つのオーブのうちイエローオーブは
人から人へと渡って常に場所を移しているらしい．
実質何の役にも立たない情報でごめんと謝られたけど
貴重な手がかりに超感謝．すごくうれしかった．

不安そうに，これで許してもらえるかな...と五月．
許すもなにも，謝らないといけないのはこっちの方だった．

お互いノアニールでのことを謝って仲直りする．
伯爵と天野さんはお互い目くばせしてにっこり．
あるいはこの二人の作戦どおりだったのかも．

急に真剣な目をして，
サマンオサの民は今も暴君に苦しめられ続けてると五月．
ロマリアで笛吹くの命がけでしたと天野さん．
ごめんそれすっかり忘れてた（汗）．

次の目標が決まった．サマンオサに向うことにする．


（第２部　完）