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音楽とかmacとか日々雑感とか
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内省の旅の終わりです.


***

・「コンスタンチノープル最後の日」
 録音:DAWでミックス

大きな「転機」というのは,DAWの導入でした.この頃急にiBookG3くんの調子が悪くなって,これはクリアインストールしないとだぞ(汗)ということになったのです.せっかくなので(当時最新だった)macOS 10.4(Tiger)を入れてしまうことにしました.

サンミシェル通りのFNAC(フランスのヨドバシカメラみたいなとこ)でTigerさんとiLifeを買いまして,そこについてきたのが「ガレージバンド」というおまけソフトだったのです.おもちゃですがDAWです.最初なんだこれと思いましたよ.midiファイルの読み書きができないんですよ(笑).でも試しに音を鳴らしてみるとすごーくいいんです.今考えるとデフォルトでかかってたリバーブの効果ですけど.

Apple製オーケストラ用の追加音源パック(99ユーロ)もあるというので,またFNACに行って買い求め,インストールしようとしたらmacくんに「10GB必要です」とか言われ(汗),もうこうなったら最後までいくー(<何かキテる)と思って外付けHDDを買いに冬の寒い中またFNACへ.いいお客さんだったろうなー(笑).

こうして,「もっといい音源」が手に入ってしまったー! と喜んだ僕が,イスタンブール旅行の感激もあって,何かにとりつかれたように3日くらいで書き上げた曲がこの「コンスタンチノープル」でした.最大のターニングポイント.


まったく違う世界に放り込まれました.打ち込みの最中からもう音色がいじれるのです.音色を確認しながら同時に打ち込みができると言ってもいいかもしれません.同じ楽器の音でも,リバーブの長さや「コンプレッサー」とかいうのを適当にちょっといじってから鍵盤(macのキーボードで代用してました)を押すと,また違う音がするのです.しかもすごくきれいな音がします.僕のiBookくんが見たこともない新しい<楽器>になったみたいで,すごく楽しいのでした.

でも,だいたい5トラックくらい使うとiBookくんが「それ以上無理〜」とだだをこね始めるのです.CPUへの負担が大きいのかーと思いました.Audacityが静止画像だとしたら,どうやらDAWは動画のようなものみたいです.G3はとても良いCPUですが,さすがに時代の流れに取り残されつつありました.っていまだに僕のメインマシンですけど(笑).

仕方ないので作曲やオーケストレーションは頭の中や紙の上ですることにして,手書きメモを頼りに楽器4つずつくらいで入力することにしました.不慣れなところもありましたが,いい音がすることに純粋に興奮している僕にはちっとも気になりませんでした.


ここが本格的なミックス開始の出発点で,この頃からようやく,EQの切り方やらコンプのゲインやら,yebisuさんの話す「言語」が,だんだんと理解できるようになっていったのでした.知識として知ってるというのと,実体験としてわかるというのは,やっぱり別のふたつのことなのです.

曲の評判はとても良かったと思います.ここから先の曲では,周りの方々にアドバイスを受けながら,毎回ああでもないこうでもないと,個人的なミックスの実験が繰り返されることになります.


***


昔の自分を振り返ってみて今思うのは,あの<Audacityでがんばってた時期>というのは何だったんだろうということでした.僕がもっと早くDAWに出会っていたら,さっさとミックスを覚えていたのでしょうか.

でも,あの時期に「波形を直接いじる」という感覚を体験していなかったら,僕は「いい音がするけど実質4トラックで限界だなんて,少なくともクラシック音楽では全然使えない」という結論を下しちゃってたかもしれないのでした.愛着のあるmidiシーケンサーから親離れできなくなっていたかもしれないのでした.だから,決して無駄ではなかったのだと思います.


いま誰か,ミックスを始めたいという方がご相談に来たら,僕は迷わずDAWの導入をすすめると思います.Audacityとかで音声編集することから始めろとは言いにくいです(笑).ただ,最初は「何をしてよいかわからない」状態に陥るであろうことも,容易に想像がつくのです.

結局は,自力でなんとかするしかありません.はじめはyebisuさんの言葉が理解できなかった僕のように,自分のなかに受け皿ができてないと,ミックスの先輩方の(言葉での)アドバイスもなかなかぱっと役に立たないのでした.でも最終的にはねー,がんばっていじってるうちに「いい音だー!」っていう感動が得られたら,人間投げ出さずに続けられるんじゃないかなーと思います,結局そこが原点というか,ミックスの本質なんじゃないかなあと(笑).


(終わり)
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うわっ、環境似てるっ!!と思た・・・。
遅くなりましたが【ミックス開始への道のり】、なんだか自分のことのように感慨深く読ませていただきました。
つか僕が「三月」卿と「EW」様で出会ったのは「天正十年」くらいだったと思うのですが、そのころは卿はもうある程度「MIX」的に「悟り」を開いていた(笑)段階であったと思います。

改めて初期の作品から聴いていたんですが
「この人無茶苦茶努力したんやなぁ・・・」と正直感動しました。
自分の出したい音、作品を創るため、いろいろ試行錯誤されたのですね・・・うん。


各言う僕も7年ほど前に、自らのお給料で「SONYのVAIO」というPCを購入したのですが、結局普通どこもPCでやることって決まってくるぢゃないですか。インターネットとか年賀状書くくらいで・・・。

そんなこんなで僕のVAIO君も購入から2年前くらいまで部屋の隅の机の上で、時折ご主人様の「ある特殊任務(極秘(←たぶんエロ))だけのある種
「ブランドインテイア」的な玩具だったのです。

で、ちょうど2年前ですか、ふとした友人のきっかけでPCで音楽が創れると知ったんですが、その当時僕の中では「音楽の会社」としては「YAMAHA」ぐらいしか知識がありませんでした。

そんなこんなで初めて「YAMAHAのSOL2」というシーケンサーを購入しました。購入のきっかけは
「マイクでボーカルが録れる・・・・」この一言だったと覚えています。そのころから「よし、俺はROCKの音楽創るぞっ!」と息巻いていました。

幸い「オーケストラ」のような大編成なジャンルと違って「ROCK」はせいぜい5パートぐらいで、やろうとしていたジャンルが「パンク」というROCKでもわりかし単純なジャンルであったため、けっこー適当にMIDIで各パート創って、MIDI上でエフェクトかけて、オケ完成させて、それを「1発WAV変換」して、それにVo.録るという、なんというか、今考えると「正に初心者DTM」的な創作活動でした。
でも、その当時は何がどうしていたのか
「自分の音楽は超かっこいいぢゃん!!!」と日々悦に浸ってました、はい。

で、なんとか完成した(たぶん創りだして5,6曲目・・・かな)で無理から「EW」様に投稿です。
なんか過去曲今自分で聴いてるとすっごい恥ずかしいですね・・・・Orz。よくこんなのを人前にだしてたなぁ・・・と(笑

「EW」様では、ほんといろいろな出会いがありました。またそれにより「DTMの奥深さ」「WAVEでの編集の仕方」といろいろ教えていただきました。僕は元来「説明書」なんて読まない人間でしたし、最初は皆様からアドバイスいただいても「EQ」すらその意味さえ知りませんでした。
ただ、それでも自分で曲を創ったり、人の創った作品を聴いているうちに
「あぁ、こういう音が欲しいなぁ・・・」といろいろ実験・研究してました。
そのころ、「EW」様で教えていただいた【SoundEngineFree】というフリーのWAV編集ソフトで「1本」づつ楽器パートを落とすやり方を覚えました。

ちょうどそのころだったと思います。三月卿の「天正十年」に出会ったのは。
無茶苦茶ダメージくらいました・・・Orz。
DTM、コンピュータでこんな表現豊かな、まるで人が、オーケストラが正にこのPCの向こうにあるような、そんな衝撃をうけたのは・・・・。

そのころから、僕も「MIX」というものの大事さを実感し、
【自分の満足する音から、人に聴かせる音、MIX】
というものを考えるようになりました。

今でこそ偶然にも「YAMAHA SOL2購入者優待セール」で偶然にも手に入れた「スタインバーグのCUBASE4」というものを創作に使用してますが、僕にとってもあのフリーのソフトで試行錯誤して「WAV編集していた時期」というのは今の創作にとても役立っています。
「どこを弄れば、こうなるんぢゃ・・・ないかな?」とだいたい見当がつくみたいです。

ちょっと「回り道」してしまったとは思うのですが、あの「必死でもがいた時期」があったからこそ、確実に「今の自分」があるのだと思います。


・・・・って、気づけばあいかわらずの長文になってましたが(汗;


これからもめんどくさがらずに、いろいろ実験・研究しながら自分の作品を突き詰めようと、このBLOGを読んで考えた次第です。

「驕らずがんばります。」


「ASP影清」

そこからは
「ASP」影清 2009/03/18(Wed)02:02:45 編集
これ・・・
下手な音楽誌の連載見てるよりおもしろかったー(笑
意外な苦労とかしれてファンとしてはアルバムのライナーノーツを読んでいるようで、知らない一面を知れてよかったですよ。

ミックスは難しいとかではなくて、少しでも良く音を聴きたい、聴かせたいと思う心意気だと思うのですよね。
僕もミックスは昔テープ4trMTRで曲を作っていましたが、なぜ市販の楽曲とこれほどまでに違うのか?と悩んだ所からはじまったと思います。
今でこそリバーブなんて超高音質な物がフリーなんて時代ですが、昔はそりゃ・・・・
そんでも、バイトしながらあれを買えばもっと音が良くなる!とか思ってニヤニヤしながら仕事をがんばった物でした。
そうやって頑張ってる事も実際に音楽やっていなくても、創造を色々してる音楽活動なのかもしれませんねー。
実際は買ってきてすぐには思うとおりに行かなくて嫌でも元を取るために勉強するわけですが・・(特にコンプだった笑)
あ、また脱線した・・・

三月さんのミックス技術はどんどんあがっていきますね~!今後も是非頑張っていい曲を聴かせてくださいね。
yebisu 2009/03/18(Wed)08:00:44 編集
まさかの投稿上限(笑
>かげーきょさん
「そこからは」何だーっ!(笑) まさかの投稿上限到達おめでとうございます.はじめてのことです(笑).

ミックスは奥深いですね,僕もまだまだです.まだ上があるというか,自分がそんなに上手くないって知ってるので(笑),やっと人並です.

影清さんはバンドとかやってて,あーあベース見つからないなーPCにやらせるか,くらいの勢いでDTM始めたのかと思ってました(笑).やっぱりプレイヤー(演奏者)の視点を持ってる人って,一回覚えたらミックス伸びるの速いと思うんですよね.欲しい音と許せない音が自分の中にあるので,音作りの手間をあんまりいとわないんだと思います.

まだまだ道半ばという気がしますけど,お互いがんばりましょうー!
三月ウサギ URL 2009/03/18(Wed)08:19:11 編集
おはよー
>yebisuさん
むきょっニアミスした(汗 おはよー.こっちは深夜です.

ライナーノーツっていうか,恥部ですよね(笑).こういうのさらすことで,誰かしあわせになったらいいなーと.

yebisuさんこそバンドから入った人でしたよね.経験値が桁違いでスカウターこわれそうです.カセットテープと機材で録音&ミックスとか,ひょっとしたら今の10代にはイメージがむずかしいかも.

僕はなんでミックスしてるんでしょうね(笑).あんまり人様のことは考えてなかったかもです.とにかく自分の耳を満足させる音を目指してたかも.でもやっぱり以前の曲を「他人として」今聴くと,けっこうツッコミどころ満載で恥ずかしいのでした(笑).

精進します.yebiっつぁんもまた素敵な曲きかせてください.こうして振り返ってみてもやっぱりyebisuさんが師匠(笑).いろいろありがとうございました.これからもよろしくお願いします.
三月ウサギ URL 2009/03/18(Wed)08:43:59 編集
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