♥ 永遠の一瞬

午前中，大使館の方に用事があって凱旋門まで行ってきました．

用事はあっさり済み，そのまま帰ろうかとも思いましたが，５６さんが以前，歩いているときにアイデアが沸くというような話をなさっていたのを思い出して，ついでにシャンゼリゼを散歩してきました．東京に住む人が浅草観音や東京タワーをあまり訪れないように，パリジャンも常日頃から凱旋門やエッフェル塔に登っている訳ではないのです．ひとりでシャンゼリゼを歩くなんて，本当に久しぶりのことでした．

以前，従姉妹が遊びに来てくれた時に案内したイタリアンの店にふらりと入り，ちょっと高めの昼食を取りました．どうしてそんな無駄な出費を選んだのか判りませんけれども，きっとそれは何か必要な儀式だったのでしょう．

季節の野菜のラザニアをフォークの先でつつきながら，今から100年以上も昔に行われた，イタリア学派とフランス学派のあいだの激しい論争について考えていました．老L...もこんなラザニアを食べていたのでしょうか．


その仕事（tâche），本気になったら３分で終わるよ．


そんなことは不可能です．けれど，それを信じられないから時間がかかってしまうのだというのも，恐らく真実です．

僕が最初にパリを訪れてから，10年の月日が流れようとしていました．