音楽とかmacとか日々雑感とか
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今日はちょっと街に買い物に行ったんですけど,ノエル(クリスマス)のバカンスに入ったからでしょうか,人でいっぱいでした(汗).みんなプレゼント買ってるんですよ.
まあそれは置いときまして,今日はEQ(イコライザー)のお話です.例によって音楽関係者以外は華麗にスルーして下さいまし.EQって何よという方は<EQ基礎論 I >の方も参照して下さい.ちょうどプレ勉強会の素材(オーケストラ)がありますので,「EQは手元にあるんだけど何やっていいのかよくわからない」という方のために,今回はちょっと具体的な使い方を見てみましょう.
***
まず大原則ですが,EQでいじることのできる帯域は 20Hz-20,000Hz(20kHz)です.
この外側のゾーンの音は人間の耳には聞こえないんですけど,デジタル録音ではカットされ,そもそも存在しないことになっちゃってます.余談ですが,昔のLPレコードからCDへと音楽の媒体が移り変わったとき,マニアの皆さんが「音にあたたかみが無くなった」と嘆いたのも,このせいだと言われてたりします.
20Hz-20,000Hzの帯域のうち主に使うのは50Hz-15,000Hzくらいの部分で,この外側(20-50Hzと15k-20kHz)は基本的にカットでよいと覚えておいて頂いて構わないと思います.「急にアナログLP作ることになったんですけど(汗」等の特殊な場合は別として,現在はこのゾーンに音を残しておくメリットよりもデメリットのほうが遥かに大きいからです.
とりわけ,mp3でのリリースを念頭において制作する場合には,15,000Hz-16,000Hz付近には注意が必要です.というのはmp3圧縮の際,このゾーンの音が凶悪に劣化させられてしまうからです.ファイルサイズ約10分の1というあの脅威の圧縮率の秘密がここにあるのです.
***
さてそろそろ,プレ勉強会の素材(トラック01-05)を例にとって,
具体的なガイドラインを示したいと思います.
まあそれは置いときまして,今日はEQ(イコライザー)のお話です.例によって音楽関係者以外は華麗にスルーして下さいまし.EQって何よという方は<EQ基礎論 I >の方も参照して下さい.ちょうどプレ勉強会の素材(オーケストラ)がありますので,「EQは手元にあるんだけど何やっていいのかよくわからない」という方のために,今回はちょっと具体的な使い方を見てみましょう.
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まず大原則ですが,EQでいじることのできる帯域は 20Hz-20,000Hz(20kHz)です.
この外側のゾーンの音は人間の耳には聞こえないんですけど,デジタル録音ではカットされ,そもそも存在しないことになっちゃってます.余談ですが,昔のLPレコードからCDへと音楽の媒体が移り変わったとき,マニアの皆さんが「音にあたたかみが無くなった」と嘆いたのも,このせいだと言われてたりします.
20Hz-20,000Hzの帯域のうち主に使うのは50Hz-15,000Hzくらいの部分で,この外側(20-50Hzと15k-20kHz)は基本的にカットでよいと覚えておいて頂いて構わないと思います.「急にアナログLP作ることになったんですけど(汗」等の特殊な場合は別として,現在はこのゾーンに音を残しておくメリットよりもデメリットのほうが遥かに大きいからです.
とりわけ,mp3でのリリースを念頭において制作する場合には,15,000Hz-16,000Hz付近には注意が必要です.というのはmp3圧縮の際,このゾーンの音が凶悪に劣化させられてしまうからです.ファイルサイズ約10分の1というあの脅威の圧縮率の秘密がここにあるのです.
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さてそろそろ,プレ勉強会の素材(トラック01-05)を例にとって,
具体的なガイドラインを示したいと思います.
1.EQでのぶつかり回避
これら5つのトラックにEQをあてるとき最初に考えるべきことは,恐らく音同士のぶつかり回避(住み分け)です.実際にスコア上の音符があるのは主に100Hz-2,000Hz弱くらいまでで,ここに音が集中するのは必然です(残りのゾーンは倍音成分).つまり最もぶつかりやすいのはローからミドルにかけての帯域.特に250Hz-1,000Hzあたりは毎回のように争奪戦が起こると考えてよいと思います.
したがって,まずここにメスを入れます.基本方針は,
トラック01-03:ローをカット
トラック04-05:ミドルをカット
となります.トラック01-03は(低音担当の)トラック04-05のためにスペースを空けて,そのお礼にミドルを空けてもらいます.基本は<ギブアンドテイク>です.
まずトラック01-03ですが,たぶんローを12dBくらいばっさり切ってもそんなに大きな音色変化はないと思います.これをミドルまで踏み込んで,1k, 2k, 4kあたりまでばっさばっさ切り進むと,はっきり音が変わったのが分かると思いますので,戻りながら好みの音に調節して下さい.
次にトラック04-05ですが,ミドルはさすがに音色に影響が出やすいので,あまり切り過ぎないように注意してください.もちろんケースにより変わってもいいと判断すればばっさりでいいです(笑).ローはお好みでブースト可能.ハイは不要にも見えますが残しておいて下さい.理由は以下に述べます.
2.EQでの音色づくり
最後に,ハイの高次倍音ゾーン(4,000Hz-15,000Hzくらいのゾーン)なんですけれど,ここはぶつかり回避というよりは,音色づくりのために重要な意味を持つ箇所になっています.
試しにトラック05(低音楽器)の4000Hz以上のゾーンを,すべてEQでカットしてみてください.-6dBくらいで十分です.どうでしょうか,こもりがちな,とても大人しい音になったのではないでしょうか.今度は逆に4000Hz-12,000Hzを+6dBくらいまでブーストしてみてください.低弦のゴリゴリやバストロンボーンの金属音がビビッドに前に出たはずです.このように,一見<高音域>とは無縁に見える低音楽器でも,ハイの倍音成分が音色にダイレクトに影響しているのです.
もちろん,クリアな音が欲しいからと言って全トラックでハイをブーストしてしまったりすると,さすがに音のぶつかり合いが起こります(汗).例えば弦は8k,金管は10kでピンポイントブーストといったように,微妙にピークをずらしつつ,ハイの余計な争奪戦が起こるのを賢く回避してください.
結局,カットするにせよブーストするにせよ,ミドルからハイをどう使っていくかが,EQでの音色づくりのひとつのポイントになってくると思います.このあたりはもう,好みの問題もありますし,どうか数をこなして慣れて下さいと申し上げるより他にありません.
では今回はこのあたりで.みなさん,よい音楽を!
これら5つのトラックにEQをあてるとき最初に考えるべきことは,恐らく音同士のぶつかり回避(住み分け)です.実際にスコア上の音符があるのは主に100Hz-2,000Hz弱くらいまでで,ここに音が集中するのは必然です(残りのゾーンは倍音成分).つまり最もぶつかりやすいのはローからミドルにかけての帯域.特に250Hz-1,000Hzあたりは毎回のように争奪戦が起こると考えてよいと思います.
したがって,まずここにメスを入れます.基本方針は,
トラック01-03:ローをカット
トラック04-05:ミドルをカット
となります.トラック01-03は(低音担当の)トラック04-05のためにスペースを空けて,そのお礼にミドルを空けてもらいます.基本は<ギブアンドテイク>です.
まずトラック01-03ですが,たぶんローを12dBくらいばっさり切ってもそんなに大きな音色変化はないと思います.これをミドルまで踏み込んで,1k, 2k, 4kあたりまでばっさばっさ切り進むと,はっきり音が変わったのが分かると思いますので,戻りながら好みの音に調節して下さい.
次にトラック04-05ですが,ミドルはさすがに音色に影響が出やすいので,あまり切り過ぎないように注意してください.もちろんケースにより変わってもいいと判断すればばっさりでいいです(笑).ローはお好みでブースト可能.ハイは不要にも見えますが残しておいて下さい.理由は以下に述べます.
2.EQでの音色づくり
最後に,ハイの高次倍音ゾーン(4,000Hz-15,000Hzくらいのゾーン)なんですけれど,ここはぶつかり回避というよりは,音色づくりのために重要な意味を持つ箇所になっています.
試しにトラック05(低音楽器)の4000Hz以上のゾーンを,すべてEQでカットしてみてください.-6dBくらいで十分です.どうでしょうか,こもりがちな,とても大人しい音になったのではないでしょうか.今度は逆に4000Hz-12,000Hzを+6dBくらいまでブーストしてみてください.低弦のゴリゴリやバストロンボーンの金属音がビビッドに前に出たはずです.このように,一見<高音域>とは無縁に見える低音楽器でも,ハイの倍音成分が音色にダイレクトに影響しているのです.
もちろん,クリアな音が欲しいからと言って全トラックでハイをブーストしてしまったりすると,さすがに音のぶつかり合いが起こります(汗).例えば弦は8k,金管は10kでピンポイントブーストといったように,微妙にピークをずらしつつ,ハイの余計な争奪戦が起こるのを賢く回避してください.
結局,カットするにせよブーストするにせよ,ミドルからハイをどう使っていくかが,EQでの音色づくりのひとつのポイントになってくると思います.このあたりはもう,好みの問題もありますし,どうか数をこなして慣れて下さいと申し上げるより他にありません.
では今回はこのあたりで.みなさん,よい音楽を!
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参考になるなぁ
いやぁ参考になります。もともとmidiでパンもリバーブもかけて一発で録音していた私ですので、WAVEにダウンして加工するようになったのはここ半年くらいです。EQってこういう発想で使うべきなんですねぇ。定位はパンで決めて前後をリバーブで何とか表現していたのですが、何かすごく目を開かれた感じです。早速、前夜祭の課題にも取り入れてみます。
ところでBBSに書かせていただいた12トラックですが、確かにミックスの課題にはきついかも。他の音源も興味があるようなお話もされてたので、良ければCakewalkTTS-1で鳴らしてmp3にしたものですがお送りしましょうか?メイン音源のSonicCellは拡張ボードはサンプル音源なので、パンくらいしかあまり弄る部分が無くミックスの参考にならないと思いこうしましたが。いかがでしょうか?
ところでBBSに書かせていただいた12トラックですが、確かにミックスの課題にはきついかも。他の音源も興味があるようなお話もされてたので、良ければCakewalkTTS-1で鳴らしてmp3にしたものですがお送りしましょうか?メイン音源のSonicCellは拡張ボードはサンプル音源なので、パンくらいしかあまり弄る部分が無くミックスの参考にならないと思いこうしましたが。いかがでしょうか?
サンプルの方が
>evnc_chckさん
実はリバーブとの兼ね合い(残響音がどの帯域を強化するか)もあるので,あくまで基本的方針のガイドラインですけどね(笑).
12トラック,もし送って下さるならサンプル音源の方がよいと思います.生音をそのまま並べてよい録音になれば簡単なのですが,そうではないので....生オケを連れてきた場合でさえ,レコーディング後に音を加工してミキシングすることになります.EQいじられまくりですよ(笑).
でもこんなのは本当に応用編になってしまいますから,リストを今回課題として出すのは見送らせて下さい.個人的にはトライしてみたいですけど(笑).せっかくですし,また次の機会にとっておきましょうー.
実はリバーブとの兼ね合い(残響音がどの帯域を強化するか)もあるので,あくまで基本的方針のガイドラインですけどね(笑).
12トラック,もし送って下さるならサンプル音源の方がよいと思います.生音をそのまま並べてよい録音になれば簡単なのですが,そうではないので....生オケを連れてきた場合でさえ,レコーディング後に音を加工してミキシングすることになります.EQいじられまくりですよ(笑).
でもこんなのは本当に応用編になってしまいますから,リストを今回課題として出すのは見送らせて下さい.個人的にはトライしてみたいですけど(笑).せっかくですし,また次の機会にとっておきましょうー.
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