♥ 雪のように白い肌の

だんだん，ときめきがなくなってきています．

やっぱりねー，ほんの数年前くらいまではまだ
未知のことに対してすっごい興味があったというか，
うわーなにそれ！　と目を輝かせてたような気がするんですよね．

女の子のこととかでも，
かわいい子見かけて無駄にどきどきしたり，
あまりにツボった場合は
友達になりたくて思わず話しかけてみたり（笑）．


最近そういうのなくなっちゃったですよ．
なんだか落ち着いちゃったですね．


既知のものからの類推で，ある程度パターンがわかって，
なんとなく，こういう筋でこういう結末，みたいなのが見えて，
そうするともうディテールはどーでもよくなっちゃうんです．


ひとことで言うと，世界が水戸黄門化してくんですよ．


刺激より安心を求めちゃうというか．
ちょっとさびしいですよね．


でも，先日ひさびさに，胸のときめきを覚えました．

友達と夕飯を食べることになって，
待ち合わせしていた時のことです．
近くに楽器屋さんがあったので，待ってるあいだ見てたんですよ．

周囲はもう真っ暗でした．
12月のはじめ，クリスマスセールの真っ最中です．
もう時間が遅くて楽器屋さんは閉まってましたけど，
ショーウィンドウにいくつか楽器がかざってあったんです．

ギター，クラリネット，フルート，電子ピアノ，バイオリン...，
そんななかにひとつ，きらきらと光る楽器がありました．
アルトサックスです．

基本的に僕は光り物には弱いんですけど，
なんだかすごく懐かしい気持ちになりました．
高校生の時以来じゃないかなー，サックスをこんな間近に見るのは．
かっこいい楽器ですね．みんな憧れるのも無理はないです．


僕はずーっとそのショーウィンドウの前にいて，
その楽器に見入っておりました．
繰り返しになりますが，あたりは真っ暗で，しかもクリスマス前ですよ．

なんか，むかし絵本で読んだ，
ほしい手袋があっていっしょうけんめいお小遣いをためている
子ギツネかなにかの話を思い出しました．
やっぱりガラスごしに手袋をじーっと見てるんですよね，へばりついて．

でも端からみたら，
黒いロングコートの僕はきっと，
手袋に釘付けになってる子ギツネというよりは
ショーケースの宝石を凝視する怪盗＜黄金仮面＞
の方に見えたに違いないんですけど，

いずれにせよ，
ちょっとうれしかったです．よくわかんないけど．


音楽っていいですよね．
何らかの形で，一生続けていきたいです．