♥ 未知との遭遇（suite et fin）

（前回までのあらすじ）
庭で《伝説の生物》ツチノコを捕まえたという天野．
神か悪魔か．果たしてそこで一行が見たものは......！

　三月ウサギ：つ，ツチノコってあのツチノコだよね？！

　天野ゲルググ：御意にございます

　ル・モンテズ：まさか実際に存在しちょるとは

　五月ウサギ：待ってよ！　まずは見てみないと


天野：すぐに連れてきます......失礼します


三月：いやー伯爵，すごいですよ，まさかそんなところにそんなものが

モン：河童，天狗，いやむしろネッシーに近い存在か？　もしかして高く売れちゃったりするのかのー

三月：そりゃまあ，その，あれで，こーなって，こんな感じで

五月：なにそのくねくねした踊り．何のブロックサインよ

モン：ええーっそんなに！？　神よ......！（＜恍惚）

五月：今のでどーやって数字わかるのッ！　それよりエサは何食べるの？　肉食？

三月：そんなの知らないよ．その生態はほとんど霧の中，わずかな目撃情報があるだけだ

天野：お待たせしました......

一同：おおおおおお，こ，これがツチノコかーっ！

（どーん）

モン：何じゃこいつは...！

三月：本物のツチノコなんて，初めて見たよ！

五月：ちょ，ちょっとツチノコってこんなんだっけ？

ツチノコ：（...ギ......ギ......）

三月：ななな，なんか鳴いたー！（＜パニック）


モン：むぅ，これがツチノコか...

五月：だから，ちょっと待ってってば，ツチノコってもっと丸っこい蛇みたいなやつじゃないっけ？

三月：フーっ，いきなり直立二足歩行とは，やるなツチノコ

天野：ぬいぐるみみたいで，かわいいですよね...（ぎゅっ）

モン：ネット上の想像図ともシンクロ率400％ぢゃ！

五月：ええーい君らの目はフシアナかーっ！　シンクロしてるのは君らの頭だけだーーーッ！！


ツチノコ：（...ギ......ギーガー......）

三月：喋ったぞ！　今ツチノコが何か喋った！　SFっぽいこと言った！

モン：なんじゃと？　三月殿，それはちょっとおかしいぞ

三月：そうですよね，ツチノコが喋るなんておかしいですよね

モン：ひょっとしてこれ，ツチノコじゃないんじゃ......（がっかり）

三月：そ，そんな，伯爵......（しょんぼり）

五月：よくわかんないけどやっと気がついたーッ！　もーだから最初から言ってるじゃないの

三月：ツチノコじゃないとすれば仕方ない．天野さん，そいつはもう逃がしておやり

天野：残念です......


五月：でもお兄ちゃん，これ一体なんなの？　珍しい生き物には変わりないと思うけど

三月：あーあ，今日はもう店じまいだ．伯爵，軽く飲みませんか

モン：そうじゃの，朝晩冷えこんで来たしのー

五月：お，お兄ちゃん！　この生き物は

三月：彼は異星人さ．家族も帰る場所もある．だから放しておやり

五月：えっ

三月：さー伯爵，行きましょう！　実はロマネコンティがあるんです

モン：おいおい，本当か？！

三月：ウソに決まってるじゃないですか．あはは......



五月：行っちゃった...．異星人って，つまりは宇宙人，エイリアンってこと...？

天野：五月さん，この子......

五月：天野ちゃん，その生き物のこと気に入ってたみたいだけど，残念だったね

天野：......名前はシグマで，チェスが得意なんだそうです

五月：ちょ，え，ええーーーっ！？


　＜完＞