♥ 激突，オランダ対ロシア

オランダ対ロシアを見ました．
すごい試合でした．

オランダはチームドクターが亡くなったとかで
全員黒い喪章をつけてのプレーです．
[*喪章は，DFの選手のお子さんが亡くなったから，とのご指摘をコメント欄で受けましたので，お詫びするとともに訂正させて頂きます．情報ありがとうございました]

予選ではイタリア，フランスを連続で撃破し，
＜地獄のグループC＞を首位で通過したオランダでしたが，
今日はなんとなーく調子悪そうに見えました．

プレスをかけに行く位置がいつもより低くて，
相手にスペースを与えてしまうんです．
案の定，まずはロシアが攻勢に出ますが，
ファンデルサール先生の牙城を崩すことができません．
ものすごい安心感．


前半30分，右サイドから遠めのフリーキックを得たオランダは
キーパーとディフェンスラインの間に絶妙のセンタリングを入れます．
しかし飛び込んだフォワードが二枚そろってタッチの差でとどかず（汗）．

バレーボールの時間差攻撃でも見てるようでした．
ベンチのファバステンさん（監督）なら決めてたかも．


しかしここを区切りに，オランダがディフェンスラインを押しあげ，
本来の分厚い攻撃を見せ始めます．さっきまで猫かぶってたんでしょうか．

ただこれでロシアも
狙いのカウンターサッカーができるようになったので
オランダDFの裏のスペースにぴたりと照準を合わせてきます．


０−０で前半を折り返し，試合が動いたのは後半10分のことでした．
ロシアが左から鋭いセンタリングを上げたところ，


なぜかオランダのセンターバックがいねえええええ！！（汗）

長身フォワードが「ずごーん☆」と合わせてロシアが先制．
さしものファンデルサール先生もなすすべなしでした．


まさかの先制ゴールを許し，がぜん攻勢に出るオランダ．
しかし10人で引いて固めたロシア守備陣を
なかなかこじあけることができません．

虎視眈々とカウンターのチャンスを狙っていたロシアは後半24分，
キーパーと１対１という絶対的な状況をつくった...はずだったのですが
ファンデルサール先生が無表情でなぎはらいます．巨神兵，健在．

そんなわけでお互い点が取れず，
時間だけがすぎていきました．


そして試合終了の５分前．スコアは1-0でロシアリード．


もうオランダは後がありません．こんなところで終わる訳にいかないのです．
ほぼ全員が前線に上がり，相手スローインにも数人がかりで猛プレスをかけます．
やっとらしさが出てきました．

左サイドで得たフリーキックからのセンタリング．
これを９番ファンニステルローイさんが頭で合わせ，
土壇場で同点に追いつきます．


まぢっすかぁぁぁあぁーーー！！！


なんか，すごい試合多くないですかこのユーロ2008（汗）．
１−１で，試合は今大会２度目の延長戦へと突入しました．


＊＊＊


この延長戦が，なぜかロングシュート合戦となります．
ロシアには８番コロディン，オランダには10番シュナイダーという
３倍の重さの黒いボールとか蹴って練習してそうなシューターがいまして，
遠めからスキあらば「どかーん」「ばこーん」と撃ってくるんです．

それはそれは大迫力の，見応えのある延長戦となりましたけれど，
両キーパーの好守もあって，１点も入りませんでした．


もうお互いなかなかイージーには点が取れません．
こういう時欲しいのはフリーキックです．欲を言えばPKです．
そのことをよくわかっていた選手が一人いました．

延長前半の9分，ロシアの10番が強引なドリブル突破を試み，
倒されます．これでフリーキックをゲット．計算高いです（汗）．

ちょっと遠めでしたが，大砲コロディンさんの一発に全てを託します．
ファンデルサール先生の防御壁を粉砕できるか．

渾身の力をこめて放たれた弾丸シュートは，惜しくも枠を外します．
でももっと恐ろしかったのは，
ファンデルサール先生がこれを何気なく見送ったことでした．
彼はシュートが枠の内側に飛んでいないと，一瞬で見切っていたのです．


なんてキーパーだ......！


延長戦はそのまま後半を迎えます．
だんだん，ロシアがオランダの守備を切り崩すシーンが増えてきました．

そして延長後半の7分．
ロシアの10番が左サイドの角度のないところからループを放ちます．
これがGKの頭上を越えてふわりとファーサイドへ．
そこに突っ込んできた７番が右足のアウトサイドで合わせてゴール！．


えええええええええ！


あまりのことに一瞬何が起こったかよくわかりませんでしたが，
2-1と，オランダはまた窮地に立たされます．
全員上がっての猛追撃です．

しかしこれが裏目に．
数分後，またもやカウンターからロシアの10番が突破して，
ファンデルサール先生とペナルティエリア内で１対１．
至近距離から放たれたシュートは
キーパーの両脚のあいだを抜けて，ゴーーール！！


みゅ，ミューラーーーーーー！！！


ファンデルサール先生はオフサイドだと激怒してましたが聞き入れられず．
3-1，これがとどめとなりました．


徹底したカウンターサッカーを演じたロシアが，
強豪オランダとファンデルサール先生の牙城を撃破して，
みごと準決勝へ駒を進めました．