♥ 壮絶，クロアチア対トルコ

クロアチア対トルコを見ました．
まさかこんな試合になるとは思ってませんでした．


前半からずっとクロアチアのペース．
さすがに予選でドイツを倒しただけのことはあります．

優れた個人技とパスワークももちろんですが，
両サイドバックが異様に俊足なんですよ．
トルコはスピード負けしてしまって
左右からセンタリングの嵐を浴びるというありがたくない展開．
ずーっとトルコ陣内にボールがあるような感じでした．

スピード，パワー，テクニック，あらゆる面で
クロアチアに上回られてしまったようにも見えたトルコですが，
果たして勝機はあるんでしょか（汗）．


でも今日のクロアチアは最後のシュートが
枠に飛んでくれません．
惜しくもバーに当たったものが一本ありましたけど
フィニッシュが決まらないままずるずると時間が過ぎて，
ついに0-0で前半を折り返します．


こういう展開だと，ふつーは
だんだんトルコの方に流れがいくものだと思うんですけれど，
そんなことはなくて，
後半もやっぱりクロアチアが攻め続けます．

トルコは時々カウンターめいた攻撃をかけるものの，
ほとんどシュートまで行くことができません．


なんとか１点が欲しいクロアチア，
後半35分を過ぎたあたりで好位置のフリーキックを得ます．
直接狙ったシュートが枠に飛んだのですが
トルコのキーパーがこれをファインセーブ．

結局試合は0-0のまま延長戦へ突入しました．
（１点先取ではなくフルに15分＋15分）


しかし振り返ってみれば，それらは序章に過ぎませんでした．
この試合はここから大きな渦に巻き込まれていったのです．

延長戦が始まりました．
さすがに疲れの見え始めたクロアチアに対し，
なぜかトルコは運動量が落ちません．
徐々に，しかし確実に，
ボールをクロアチア陣内へ押し込み始めます．


トルコがクロアチアを上回っていたものは，スタミナだったのです．
やっぱりジンギスカン食ってきたんでしょか．


やがて形勢は完全に逆転しました．
いまや猛攻を続けているのはトルコで，
クロアチアはただただ耐えるしかない状態に陥っています．
たったさっきまで，いったい誰がこんな光景を予想できたでしょう．

幾度となくゴールをおびやかされますが，
クロアチアは高さを生かし必死の防戦です．
トルコも今ひとつ決定的なチャンスを作れず，
時間だけが去っていきます．


0-0のまま，これはPK戦では...という空気が流れ始めた
延長後半のラスト１分．
足の止まっていたクロアチアが賭けに出ます．

最後の力をふり絞っての怒涛のカウンターアタック．
残り時間を見計らった強襲をかけ，
捨て身のオーバーラップから前線にボールを送り込みました．
そして慌てたトルコGKの一瞬の隙をついて
ついにゴールを奪うことに成功します．


１-０．


大歓喜のクロアチアベンチ．
うなだれるトルコサポーター．
延長戦のロスタイムは１分との表示．


でもトルコは最後まであきらめません．
自陣内で得たフリーキックをGKがすばやく前線にフィードします．
もうロスタイムも55秒が過ぎ，いつホイッスルが鳴ってもおかしくない状態．

トルコの選手にボールが渡り，
ミドルレンジからの強烈なラストシュートを放ちます．
クロアチアは二人ブロックに行きましたが，
ボールはそのほんのわずかな隙間を抜けて，
ずざっ，とゴールネットに突き刺さりました．


うわああああああ，
同点ッ！！！


こ，このトルコのすさまじい粘りは一体なんなのだ．
予想を遥かに超えた恐ろしい試合になりました．


試合はPK戦へ突入．

コイントスの結果，最初に蹴るのはクロアチア．
１番手は青白い顔をした14番の選手です．
だいじょうぶかなーと思って見ていたら，
ゴール右ぎりっぎりのところに外しました．いきなりやってもーた（汗）．

この後クロアチアは３番手もゴール左に外してしまい，
４人目のシュートをキーパーに弾かれたところで試合終了．
やっぱり「試合の流れ」って存在するんでしょうか．


トルコ　１-１　クロアチア　（PK 3-1）


PK戦はそれだけ見ててもドキドキするもののはずなんですけど，
今日は延長戦ラストの攻防のほうがすごすぎて，
もうどっちが勝ってもいい！（涙）みたいな気分でした．


激闘の末，準決勝に勝ち残ったのはトルコ．
意外なところにダークホースがいたものです．