♥ 沙羅双樹の花の色

　三月ウサギ：おや，朝から二人してどうしたの


　五月ウサギ：実は天野ちゃんが，平安ジョークを見せたいって


天野ゲルググ：（こくん......）


三月：うーんなるべく手短かにしておくれよ，すぐ出なきゃいけないんだ

五月：ちょっとー感じ悪いわねー

三月：仕方ないだろー，だいたいなんで午前中からネタを仕込まねばならんのだ

五月：それは先週サボったからでしょ，自業自得よ．さっ天野ちゃん


　天野：いきます．祇園精舎の鐘の音，諸行無常の響きあり．沙羅...


三月：ちょと待った，ちょと待った，まさか最後まで行くんじゃないだろなー

五月：なによ，天野ちゃんの渾身のギャグを最後まで聴かないつもり？！

三月：時間がないんだよー！（汗）　もっと手短かなのにしてよ

天野：中盤きっとすごく面白いと思うんですけど......48分越えたあたりから......

三月：いやその，たのむ，本当に出なきゃいけないんだよ


五月：しょーがないわね！　天野ちゃん，アレにしなよ

天野：アレですか，まだ練習中で自信がないんですが

三月：あーもう何でもいいからはやくー（汗）


天野：では参ります．......「やあ，ボク，関羽雲長だよ！」


三月：架空の人物のはずなのに似てないとはっきりわかるよ！（がびーん）

五月：だめじゃないお兄ちゃん，返しの句は　げぇっ関羽！　でしょ

三月：平安時代にそんな返歌は　な　い



＜終＞


じゃ，いってきまーす．

♥ ちいさな冬のロンド

　三月ウサギ：伯爵，ついに届きましたね


　ル・モンテズ：楽しみぢゃ．さっそく開けてみるかのー


（がちゃり）


　五月ウサギ：お兄ちゃんコーヒーが......（ハッ）なにこの大きな箱？


三月：うわっ，ノックくらいしろよー！（汗）

モン：なんでもない，なんでもないぞい！

五月：ちょっと二人して何よその慌てっぷりは．あやしすぎー！

三月：さあさあもう部屋に戻るんだ．今度チュッパチャプス買ってやるから

五月：そんなものじゃ誤摩化されないわよ．いったい何を買ったの？

三月：そ，それはその......

モン：（ぴゅーぴゅぴゅー）＜口笛


五月：ますますあやしいー！　そんなに秘密にしたがるなんて，まさかいやらしいものじゃないでしょうね

三月：ちっちがう，断じてちがうぞ！

五月：ふーん，確かにこの箱，かるく人の身長くらいはあるもんね



　天野ゲルググ：つまり，かなりマニアックなご趣味ですね



三月：のわー天野さんどこにいたの！　ちがうってばさー！

モン：ふむ，確かに最近では精巧につくられた物もあるらしいからのう

三月：伯爵っ，さりげなくそっちに寝返らないで下さいー！


五月：さあ，もう観念したらどうなの

三月：し，仕方が無いな．開けるよ


（わさわさっ）


五月：なにこれ......もみの木？

三月：そうだ，今年用のクリスマスツリーにと思って，ロンドンより取り寄せたものだ

五月：なんだー，別に隠すことないじゃない

三月：いやー，みんなを驚かせたかったんだよ．実はこの木には秘密があって，月末までには倍以上の大きさになるはずなんだ

五月：うっそだ〜，そんなもみの木聞いたことないよ

三月：この付属の栄養剤＜ノビール＞と水を与えると，『くるみ割り人形』の木みたいにぐんぐん大きくなるらしいぞ．

モン：それに今なら＜ミニもみの木＞が３本もついて，お得だったのぢゃ


天野：あの，ちなみにこの木はどちらでお買いあげに......

モン：通販じゃ（きっぱり）

五月：き，君ら絶対だまされてるよ！！（がびーん）



＜完＞

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♥ 12月のお天気

　こんにちは，サイバー監視課の天野ゲルググです


【12月の天気予報】


ゲイツ地方：家族がUSBスロットにマイクをブッ刺すところを目撃してしまいます
mac地方：ノートン先生，出産
UNIX/Linux地方：初音ミクを強引にインストール，自前で声入れしなおす羽目に

♥ 檸檬

「夢　それは☆ドリーム......」


今朝　夢を　見ました...　:*:.｡.:*(´∀｀*)*:.｡.:*:


家で　やたら人間模様の複雑な
水戸黄門を　みていたら
弟が　帰って来たようだったので
冷蔵庫から　なにか　果物もってきてくれと
頼んだら　よりによって　レモン


そんな　ほんのり甘酸っぱい　夢を......　☆.。.:*・゜


まるかじりできるかどうか５分くらい悩みました．

♥ ラピュタのDVD（３）

（前回までのあらすじ：）
ラピュタのDVDを一緒に見ようと声をかけられたゴガツ．
一度興味が無いと断った手前軽々しく応じることができない．
そこで彼女の放った手は......．


　三月ウサギ：あれ，五月は？


　天野ゲルググ：今日はどうも気分が優れぬとのことでした


三月：そっか，残念だな

天野：かわりにこの猫さんを連れてきました（ぎゅっ）

黒猫：ナーゴ


　ル・モンテズ：おお好判断ぢゃ．猫殿も見たがっておったからの


三月：じゃ，さっそく始めまーす


＊＊＊＊＊


（《文字の塔》五月の居室）



　ゴガツウサギ：ふふふふふ，あはははは！　まさに好判断だわ


（ナレーター：V.シンガー）
解説しよう．ゴガツは黒猫ウルリッヒの首輪に
超小型カメラを仕込み，映像と音声を転送させていたのだ


ゴガツ：これで自室に居ながらにして，誰にも気づかれることなく映画を鑑賞できるというもの．我ながらこの知謀が恐ろしくなるわ......ふっ，どうやら始まったようね

＊＊＊


モン：こいつ！　こいつが黒幕じゃ！　ラストシーンでは

三月：だーっ！　解説いりませんから黙っててくださいー！！（汗）

天野：そうです．私たちはともかく，この猫さんは初めて観るんです...

黒猫：ナー（まったくお嬢も厄介な仕事を押し付けてくれたもんだぜ）

（きゃーーーーー！）

モン：だーはっはっは！　げらげらげら，げらげらげら

三月：今のシーンのどこに笑うとこがあったんですかー！！　まったくもう，フランス人のツボはよくわかりません


＊＊＊


ゴガツ：あまり性能のよいマイクでなくてかえってよかったわ．三人の声を拾いすぎる...．おや？

（三月：パズー，ラッパひそかにめっちゃ上手いんですよねー）

ゴガツ：ぬ，ぬぬう，お兄様の後ろドタマで何も見えぬ．自重してくれー！　あっ，何してるウルリッヒ

（がさごそ）

ゴガツ：いかんッッ，天野の膝の上かッ．真っ暗で何も見えないわ！　猫の＜暖かいところではつい丸くなってしまう＞という習性を忘れていたっ

（黒猫：ナ〜〜（ねむくなってきたぜ））

ゴガツ：何を言い出すのウルリッヒ！　ドーラ一家のオートモビール到着まであとたった５分じゃない！　ここは耐えるのよ！　ああーこちらからの指示が出せないのは失敗だったわ！


＊＊＊＊＊


（２時間後）

ゴガツ：嗚呼，結局オープニング周辺しか見られなかった．なんだか熱が......（ふらふら）

（こんこん）

ゴガツ：はい，開いてますわ

天野：失礼します．五月さん？　横になっていなくて大丈夫ですか

ゴガツ：あ，天野さん，その，映画は楽しかったですか

天野：はいとても．ドーラ最強......

ゴガツ：それはよかったわ．それで，このような夜更けに何用です

黒猫：ナーゴ

天野：いえ，部屋に戻るついでに様子を伺いに

ゴガツ：それはありがとう．ウルリッヒも連れてくれたのね．私は大丈夫よ

天野：それから，三月さんがこれを届けるようにと

ゴガツ：あら，何かしらそのFNACの袋は

天野：ラピュタのDVDです，今日五月さんが来られなかったからと......

ゴガツ：（ぶわっ）

天野：ご，五月さん？！

ゴガツ：あ，ありがとう......私疲れてるみたい．もう下がって...よいわ......

天野：......失礼します......，おやすみなさい

（ばたん）

ゴガツ：ああ！　ああ！　私は何と愚かだったというの！　ラピュタが見たかった，ただそれだけなのに素直になれなくて，こそこそと卑怯な手段でお兄様を裏切ろうとさえした．それなのに，それなのにこんなに優しくして下さるなんて，私はもうどうやってお兄様に顔向けしてよいのやら......（さめざめ）．

黒猫：ナーゴ（お嬢...）

ゴガツ：あぁ，この性格が呪わしい．私だってもっと天野さんのように，自分の気持ちにまっすぐな女の子になりたかったのに．ウルリッヒの失敗を責めることはできない．すべての元凶はこの私．そして私を狂わせてしまった，このラピュタのDVDの......

（ぱかっ）

ゴガツ：中身「少林サッカー」じゃねーかよ！！（がびーん）


＊＊＊


三月：あーやべー，中身まちがえたかも（汗）

モン：あいかわらず整理整頓が苦手ぢゃのー


＜完＞

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