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音楽とかmacとか日々雑感とか
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朝霧の天童(山形)を舞台に第21期竜王戦,運命の最終局が始まりました.振り駒の結果先手は羽生名人,後手に渡辺竜王.立会人を務めるのはかつての《穴熊党副総裁》西村一義九段です.

初手は▲7六歩でした.第4局以降の流れを見て,ここで2六歩突いたら人間じゃないと思ってましたけど(汗).大方の予想通り矢倉模様となりまして,渡辺竜王が阿久津流を連続採用.よほどの信頼です.棋譜は直前の第6局と全く同じコースをなぞるように辿っていきましたが,相手の研究筋に入るのを嫌ったのか,羽生名人が早めに▲2五歩(定跡手)と手を変え,第6局のルートを離れました.

△5四銀と立った形が絶好というのが阿久津流の主張点だったと思うのですけれど,ここで渡辺竜王が△3三銀と新手を出してきます.用意してきた研究手みたいです.なんだこれは(汗).中央は制圧させていただきますし2筋交換も許しません,という欲張りな手に見えるんですけれど,どうもこれで指せるということらしいです.

こういう「おやっ?」という手を見たらほぼ100%つぶしにかかるのが羽生さん.いきなり左辺の歩を突き捨てて猛然と攻撃を開始.羽生怒りのアフガン.8筋の大事な守りの歩を突き捨てて▲8二歩の打ち込みだなんて,1日目なのにもうキレてると思います(汗).確かにこれで香得はほぼ確定なのですが,好機だったのかそれとも誘いの罠なのか.

控室が検討していた△6二飛は玉頭直撃のいかにも矢倉っぽい手ですが,竜王の△5二飛もやわらかい感じでとても面白い手だと思いました.よく見ると早くも先手玉の左右挟撃をにらんでいます.まだ形勢を云々できる段階ではないのですけれど,僕の素人目には後手の方が方針がシンプルでわかりやすそうな気がします.明日でいよいよ決着.先手の羽生さんがどういう構想を描いているのかも楽しみです.
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小雨降る南魚沼(新潟県)を舞台に竜王戦の第6局が行われました.先手に羽生名人,後手に渡辺竜王.立会人は《受ける青春》中村修九段です.

新潟といえば米どころ.僕の友達の新潟人にも,米は魚沼産のコシヒカリしか食わず,わざわざパリまで取り寄せていた猛者がおります,そんなことは置いときまして,戦型は矢倉へ.後手の渡辺竜王が△5三銀と変化したため相矢倉にはならず,<阿久津流>と呼ばれる急戦含みの形になりました.羽生名人もすぐに2筋の歩を伸ばして早い開戦に備えます.

やがて羽生名人が▲2四歩から2筋交換に出ますが,やや早かったのでしょうか.後手に△3一玉と△5一金という,守備固めの二手が入っているのに対して,先手は(必要だった筈の)▲7九玉の一手すら入っていない状態のまま戦いが始まってしまったからです.竜王の△6二角を見て長考に沈む名人.盤上では,自ら仕掛けたはずの2筋が今にも逆流を起こそうとしていました.ここで封じ手となって1日目が終了.


今回の竜王戦を楽しんで観戦している方は,三種類いらっしゃると思います.ひとつめは羽生名人のファン,ふたつめは渡辺竜王のファン,そして三つめが,そのいずれにも属さない方々です.第三のグループはフルセット第7局まで好勝負を見たいという一心から,この第6局では渡辺竜王側の応援に回っていると思います.羽生さんとしては久々のヒール役ですけれど,空気を読まずに勝ってしまうことがあるのもまた羽生さんらしいという気がします.


2日目がスタート.封じ手は▲3六歩.しかしすぐに2筋の逆流が現実のものとなり,見るからに先手が苦しい将棋となりました.竜王はばっさりと飛車を切って△2七銀の打ち込み.これで先手の飛車を捕獲.後手は意外に陣形がまとまっており,△5一金の効果で名人も不用意には飛車を打ち込むことができません.

しかしそれでも名人は,控室の検討陣が「無理気味では」と語っていた▲2二歩〜▲2五飛のルートから積極果敢に攻撃続行を図ります.先日までとは全く逆の構図になりました.苦しいが攻めるしかない名人と,受け切ってカウンターから仕留めればよい竜王.迫力の攻防戦がありましたが,最後はついに受け切った渡辺竜王が飛車の打ち込みから反撃を開始し,見込み無しとみた名人がここでいさぎよく駒を投じます.

名人3連勝のあと竜王が3連勝で返すというドラマチックな展開で,こうして<初代永世竜王>の称号のかかった歴史的対決は,最終戦第7局,山形県天童へと持ち越されることになりました.
王将戦,挑戦者決定の大一番でした.
佐藤(康)棋王,深浦王位,丸山九段の3人が3勝2敗で並び,一斉対局となりました.
カードは,高橋-久保,深浦-丸山,郷田-佐藤.


高橋ミッチー対久保戦は挑決とは直接関係なかったんですけれど,久保八段の2手目△3二飛を見て怒髪天を突いたか,ばりばりの居飛車党のはずのミッチーが飛車を振って<相振り飛車>になるというまさかの展開に.

2八銀,3八金,4八玉という並びはあまりよくない形.たぶん銀冠に組み直したかったのだろうなーと思うのですけれど,そんな暇はありませんでして,華麗な攻撃を繰り出した《さばきのアーティスト》久保八段の軍門に早々と下ります.アーティスト華麗.お見事.


(クリックでフルサイズ)


深浦-丸山戦は,後手の丸山九段がいきなり袖飛車(△7二飛)にするという趣向を見せまして,今日はみんな何かやっとかないといけないお約束になってるのだろかと思いました(汗).手作りの難しい力戦を制したのは,最近羽生キラーとして名を馳せる深浦王位でした.一足先に4勝目を上げて挑戦権獲得へ大きく前進.残る佐藤棋王の対局結果を待ちます(佐藤勝ちならプレーオフ).


注目の郷田-佐藤(康)戦は,後手のみっくんがやってくれました.▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲2五歩に△3二銀(!).いきなり飛車先交換を許して銀冠に持って行こうという新構想.斬新すぎる(汗).もともと相掛かり志向だった郷田さん,すぐに飛車先を切って右四間〜雁木に構えます.
みっくん手が作りづらそう,大丈夫かなーと思って見ていましたら,あんまり大丈夫じゃありませんでした.新構想撃沈(汗).


こうして羽生王将への挑戦権は深浦王位の手に渡りました.すさまじい戦いになるのは必定で,王位戦に続き棋界のマングースぶりが期待されます.僕はみっくんを応援してたんですけど,今回は残念でした.でも本当に魅せてくれます(笑).またがんばってほしいです.
南紀白浜決戦の竜王戦第5局,封じ手は▲1五歩でした.盤面をワイドに使うというよりは,1-3筋あたりで局所戦にしたいという手だったと思います.その後は渡辺竜王の猛攻を羽生名人が凌ぎ続けるという展開になりましたが,やがて先手が巧みなチェーンコンボを決めて端を突破してしまいます.すげえええ,谷川か佐藤かと思いました(汗).

封じ手(57手目)から83手目の▲1二銀不成にかけての手順は「無茶をしているように見えるが筋は通っている」という感じで,何度も並べてみたくなりました.僕はもう少しまったりした中盤を予想していたんですけど,見事に外れました.感覚が古いんでしょーか(汗).

<将棋の純文学>と呼ばれた相矢倉にはかつて,主人公が淡い恋心を伝えられずにいる,ある種の「もどかしさ」のようなものがあったように思うのですが,現代矢倉は▲4六銀と出た瞬間にもう「好きじゃー!」と告ってるよーな感覚があります.それであとは,好きじゃー!好きじゃー!と端へ殺到するわけですけれど,僕もこういう,情熱的な矢倉を指してみたいと思いました.

本局はあとは先手矢倉の快勝譜となりました.矢倉で端を突破したあとはたいてい「次は左辺どーしよう」となると思うのですが,今回は1日目に(角を圧迫しながら)▲7五銀と配置することに成功していましたので,すでに足がかりが出来ていた感じでした.3八の飛車を見捨てるのはスピード重視の現代矢倉ではままある光景で,先手の最後の受けも冷静沈着だったと思います.

後手はどうすべきだったのか僕にはまったくわかりません(汗).いずれにせよ,渡辺竜王の見事な指し回しが光った一局だったと思います.第6局も楽しみです.
南紀白浜を舞台に竜王戦の第5局が開幕です.南紀いいとこですよね,海はきれいだしお魚おいしいし.それは置いときまして,第5局の戦型は相矢倉になりました.
相矢倉!相矢倉!(笑)

序盤は定跡通りさくさく進んだみたいなのですけれど,後手の羽生名人が,渡辺竜王の穴熊をびみょーに警戒した駒組みで,やがて竜王が▲9六歩とそれに応じました.穴熊には組まないで,玉のふところを広げつつ,後の<必殺△9五桂>を消した大きな手.意地で▲9八香かなーと思っていたのでちょっとびっくり.ナチュラルで感じのよい手だと思いました.

名人の△2一玉もすごく面白い手でした(宮田新手らしいです).△3一銀が入れば(一瞬怖いけど),左辺で圧迫されている角が5一〜3三と転回できそう.一気に呼吸が楽になります.また菊水矢倉(矢内矢倉)のような形への組み替えも見せています.

封じ手の場面は一見,控室の示した手(▲7四歩,▲6四歩,▲1五歩)のどれを選んでも先手指せそうな気がしますけれど,それは金銀四枚で固めている後手の待ち受けるところ.個人的には▲7四歩から両者の飛車角が乱舞する華やかな展開を期待.僕みたいな素人には怖くて真似できない順ですけど(笑).

2日目は先手の渡辺竜王が気持ちよく攻める展開になるかもしれません.でも勝敗はそれとはまた別の話なのです.名人の描いているシナリオは恐らく,後手矢倉らしい受け切ってからのカウンター.竜王もどこかでぱっと受けに回って,さあ攻めてらっしゃいと誘うことになると思います.虚々実々,押したり引いたりの難解な戦いが予想されます.楽しみです(笑).
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